双子の姉妹の マキとマイ
お父様に聞いてもお母様に聞いても、分からないの一点張り。


結構前に、私はこの件を諦めた。


響夏はショーケースの中に飾られた石碑を見つめながら言った。


「俺、その学者に会いたいな」


「え、無理無理」


私は手をブンブンと横にふり、響夏に言った。


響夏は困ったように笑いながら言った。



「何も即答することないだろー!」


私は首をかしげながら言った。



「いや、その学者さんが何処にいるかなんて分からないのよ。現在行方不明」


響夏は驚いたように目を見開いて言った。



「え!?そんなあっさり言っちゃっていいようなことなの!?」


「だって、その学者さん。魔界人になった途端に、姿を見せなくなったのよ。人間のときですら、ちゃんとした姿は王様しか見たことがないのよ」



今、生きてるかどうかすら誰にも分からない。

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