双子の姉妹の マキとマイ
円香が思い出したように言った。



「試合の前に、やりたいことあったんだった!」


円香はポケットからデジカメを取り出した。


デジカメを私の方に向けながら言った。



「マーキ!記念に一緒に写真撮ろうよ!」



「え?なんの記念??」


私は首をかしげながら言った。


円香は、んーーっと考えてからニコッと笑って言った。


「試合前日記念!!」


……変な記念ね。


でも、思い出に残るしいっか!


私はうん!っとうなずきながら駆け寄る。


すると響夏が私を抱き寄せた。


心臓が大きく動いた。


え!?な、な、な、なんで!?


なんで抱き寄せるわけ!?


い、意味わかんない!!


なんなのよ!?


ていうか、私がなんなの!?


なんで、私の心臓ドキドキ言ってるの!?


私は顔を真っ赤にしながら、固まった。


頭上から響夏の声が聞こえる。


「まったーーーー!2人だけで撮るとかズルいぞ!俺らもまぜろ!」


円香は嫌そうな顔をしながらも、承諾した。


私は響夏を睨みつけながら言った。


「はなしなさいよ!」


「んー。はなしたくないけど、これじゃあ写真撮れないしね」


そう言って響夏は私をはなした。


嬉しいはずなのに、何で少しさみしいんだろ?


私は意味のわからない感情に首をかしげた。

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