双子の姉妹の マキとマイ
マキ姉は何か難しい顔をして私を見つめていた。


いつもは堂々とハキハキしゃべるのに、今日はなんだか歯切れが悪い。


「え……と。あの、ね…」


マキ姉がやっと口を開いたとき、大きな音がした。


試合終了のブザーだ。


私は勢いよく後ろを振り返った。


圧勝だ。


宙が勝っていた。


やっぱり宙ってすごい!!!


宙は言ったことに嘘はつかない。


まだコート上にいる宙が手を降る。


私もそれにこたえるように、ぶんぶんと手をふる。


「マーーーーイ!!」


その場が静まりかえった。


私もマキ姉も顔を見合わせてびっくりする。


だってあの宙が大きな声を出すことなんて、滅多にない。



私は首をかしげた。


宙は私に手招きする。


え?来いってこと!?


えぇ!?コートに!?


私はパッとマキ姉を見ると、少し考えてからトンッと私の肩を押してぎこちなく笑った。

私はキョロキョロとしながら、恐る恐る宙に近づく。


私がコートのど真ん中、宙の目の前に行ったときに、より一層静まりかえった。


……なんか緊張する!!!

宙はそんな静まりかえった場をよそに言った。
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