双子の姉妹の マキとマイ
リンゴが扉をまたいだ瞬間、焼きリンゴになった。


…というよりも、灰だ。


消滅した。


私はサーっと青ざめた。


あのままだと私たちも確実に、灰になっていた。


ルルアは言った。


「王様の命令は絶対なの。もうあきらめてマキ様が王座につくのを待てば?」



「そんなの絶対いやぁぁぁ!!」


私は泣きそうになる。


何でみんなそんなに意地悪ばっかり言うの!?


イルは私が怒っていて、しかも泣きそうなのに気がつくとルルアの口を押さえてあせったように言った。


「まぁまぁ!!2人とも落ち着いて!!ルルアもキツく言いすぎだって!!マイが泣いたら大変だろ!!ここには傘もなんだぜ!?」



宙も響夏も、イルの言っている意味がわからないらしく、首をかしげた。



私は頬をふくらましたまま、そっぽを向く。



ルルアはイルの手から逃れながら言う。


「わかる?王様の命令は絶対なの?いい?絶対なのよ?」



ルルアはやけにしつこく、『王様の命令は絶対』と繰り返し言う。


私は首をかしげる。


そんな私に向かってイルも言う。


「マイ、俺らは別に敵ってわけじゃない。マキには幸せになってもらいたいし、そのために協力が必要だって言うなら最善を尽くして協力したい。でも今の時点では協力するためのスタート地点にすら立ててないんだよ」
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