双子の姉妹の マキとマイ
どうすることもできなくて俺は立ったままマキを見つめていると、マキが小さく言った。


「前に…一緒のこと言われたの」


「…え?」


俺が首をかしげると、マキはもう少し大きな声で言った。


「私の髪には淡いブルーって、前に同じことを言われたの」


ずっとポタポタと涙を流しながらマキは、必死で俺に伝えている。


そんなマキの視線に合わせるように、俺もその場に座り込む。



そして俯いたまま、少しだけ震えた声で言った。


「…誰に言われたんですか?」


そんなの俺が一番知っている。


俺自身が言ったんだから。


銀髪には淡いブルー。


マキには淡いブルーが似合うって。


でも、何でマキが泣いているのかは分からない。


いや、予想はつくけど、その予想に自信がない。


こんなのズルイかもしれない。


でもズルくない恋愛の駆け引きなんて俺は知らない。
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