双子の姉妹の マキとマイ
その後の言葉を聞きたいような聞きたくないような気がする。


俺の心臓は今までにないくらい、うるさく動いている。


しばらく黙り込んでいたマキだったけど、ばっと顔を上げて俺を見つめる。


そして言った。


「その人を…思い出したから泣いてるの」


今度は俺が泣きそうだ。


マキと出会って今が一番幸せかもしれない。


俺のことを思って好きな女が泣いてくれることがこんなにも嬉しいなんて知らなかった。


マキはギュッとすそを握りしめて続ける。


「私には小さな頃から魔界を背負う運命だって分かっていたし、それが夢でもあったわ。でもそんな夢がどうでもよくなるくらい…。会いたいの。その男の人に」
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