双子の姉妹の マキとマイ
「マキ様の犠牲で、のうのうと幸せに生きていく人のことを恨んでみてください。それは別に汚い感情でも何でもないんです。誰だって持っていて当たり前の普通の感情です。恨んでみたら見えてくる答えもあるでしょう?どうですか?」


マキはいつも意地を張っているけど、根はすごく素直なんだ。


マキは俺の目を見つめたまま言った。


「…悔しい。私がこんなにも悩んで辛くて我慢してるのに…それを知らずに当たり前のように笑って幸せに生きていく妹が憎い」


「そうです。憎いですよね。同じ双子なのに少し早く生まれただけで、妹のマイ様は許されてマキ様は許されない。理不尽ですよね。…でもそれはマイ様は悪くありません」


「……」


マキは無表情で俺の言葉の続きを待っている。


それに応えるように俺も無表情で言った。






「悪いのはマキ様です」
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