双子の姉妹の マキとマイ
「マキ…何を言ってるんだ」


後ろからお父様の声が聞こえる。


明らかに声が怒っている。


それでも私は大きな声で言った。



「私は王位は継ぎません。代わりにマイでも誰でも好きにしてください」


「マキ!!」


私はビクッと体を震わせた。



普段、声を荒げることないお母様の声だったからだ。


「いい加減になさい。自分勝手なことを言っているのが分からないの?」


厳しい母の声に心臓が痛い。


私は耳を塞ぎたくなった。


母は小さい声ではっきりと言った。


「あなたを人間界に送ったのは、わがままを覚えさせるためじゃないのよ。たくさんの人と関わることによって、正しいことを見定めれるようになってもらうためよ。必要最低限のこと以外には興味を持たなくて良い。あなたは国と市民の幸せのためだけに全力を尽くしなさい」


「…嫌よ」


「マキ!!」


また私は肩がビクッと震えた。


お母様がとても怒っている…。


やっぱり私が悪いのかな。


私が諦めれば済むのかな…。
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