双子の姉妹の マキとマイ
街に遊びに行くのも、家庭教師から勉強を教わるのも、私たちはいつも一緒。


でも、私たちが与えられるものと求められるものはいつも違った。


マイはどんなに勉強ができなくても、怒られることなんてなかった。


ただニコニコと笑って元気で健康で、好きなことだけしていれば良い。


その陰で私はいつも、マイのできないことを求められた。


マイが街に遊びに出かけたときは、各地に訪問。


マイがパーティーでダンスをしているときは、魔法薬調合の実権。


何でも楽しいことはマイ、辛いことは私。


ずっとそれが当たり前で、おかしいなんて思ったことなかったけど、少しだけ悲しかった。


何で私はいつも楽しいことができないのかなって疑問は生まれるばかりで、答えは見つからないまま生きてきた。


でも人間界で1年間過ごして、さっきようやく分かった。
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