双子の姉妹の マキとマイ
小さいママとリイちゃんママを想像してみた。


私はため息をついた。


「ママたちは可愛いもん。…私なんか髪をいじったくらいで変わらないよ」


私もママみたいに綺麗なストレートだったら。


リイちゃんみたいに、黒髪だったら。


きっと毎日、ハッピーなのに。


パパの遺伝子が存在感無さすぎ!


落ち込んだままの私の髪を、綺麗にゆいながら女の人は言った。


「リイちゃんと何かあったの?」


私はびっくりして目を見開く。


「どうしてわかったの!?」


女の人は微笑んだ。


「さっきから、リイちゃんは!リイちゃんは!って言ってるから」


うっ…。


そんなに言ってたかな?


私は開けっ放しのクローゼットにかかっている、新品の制服をチラッと見てから口を開いた。
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