双子の姉妹の マキとマイ
「私ね…女の子苦手なの。私の髪を引っ張ったり、すっごく私の目を見てくるの。変なのって」


そして今度はベッドの横に置かれたランドセルを見る。


綺麗なランドセルは、いまだ袋に入ったままで一度も背負っていない。


「でも、リイちゃんは女の子と仲良しで、小学校は女の子ばっかりのところに行くの。でも私は、男の子も女の子もいる学校に行くことにしたの」


いつの間にか、私の髪を綺麗にまとめた女の人はブラシを置いた。


そして鏡越しに私を見つめて言った。


「リイちゃんと気まずくなっちゃったんだ?」


私は少しためらってから、大きく頷いた。


キラキラのランドセルも、新品の制服も勉強道具も揃った。


だけど、私の隣にはリイちゃんがいない。
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