【中編】桜咲く季節に
「ああ…病院で電源を切ってから警察に事故の状況を訊かれていたので、ウッカリそのままにしていました。
警察から走ってバイクを取りに行く間も、大急ぎで会社に行くことばかり考えていたので電源を入れる事を忘れていました。すみません」
「バイクをあそこまで取りに行ったのか?」
「はい。帰りに取りに行くか迷ったんですけど、病院から直接出社するのも、河原まで取りに行ってバイクで出社するのも、時間的に変わらなかったので」
「病院から走って…って、確か電話で【高端総合内科クリニック】にいるって言ってたよな。
あそこからだと14~5キロはあったんじゃないか?」
「学生時代は陸上部でしたから、どうって事ないです」
翔の答えに、なるほどと頷くと、山崎社長はそれまでの柔らかな表情を硬くして翔に向き直った。
思わず翔も身構えて、社長の言葉を待つ。
警察から走ってバイクを取りに行く間も、大急ぎで会社に行くことばかり考えていたので電源を入れる事を忘れていました。すみません」
「バイクをあそこまで取りに行ったのか?」
「はい。帰りに取りに行くか迷ったんですけど、病院から直接出社するのも、河原まで取りに行ってバイクで出社するのも、時間的に変わらなかったので」
「病院から走って…って、確か電話で【高端総合内科クリニック】にいるって言ってたよな。
あそこからだと14~5キロはあったんじゃないか?」
「学生時代は陸上部でしたから、どうって事ないです」
翔の答えに、なるほどと頷くと、山崎社長はそれまでの柔らかな表情を硬くして翔に向き直った。
思わず翔も身構えて、社長の言葉を待つ。