愛するが為の奈落

「こっちに来いよ桜」


座敷のテーブルを挟んで向かい合う席に座る彼は、会社の取締役、所謂二番目に会社を仕切る人で私の彼氏。

会社に入社してから毎日の様に言い寄られ、半年で彼の勢いに負け付き合う事になり丁度一年を迎えた。


「でも私、社長の…――」

「行ってやれ」

「…は、はい」


彼氏に断ろうとしたが、隣りに座る社長に背を押され、彼の隣りへと移動をし腰を下ろした。
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