密の味~恋と憧れ~



「本、お好きなんですね」


「えっ?」


不意に声を掛けられ視線を上げる。


そこには司書のあの人が立っていた。


(う、嘘っ!?)


驚きのあまり、まともに声も出せない私をよそに。


あの人は話を続けた。


「毎週このくらいの時間にいらして下さる」


「あっ、それは……」


「でも、それならここより本館の方がよろしいのでは?」



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