十八番-トバチ-
次の日




カミサマの力をもらって上機嫌になった鼠は
猫にそのことを自慢しに行くことにしました




しかしどこを探しても猫の姿は見当たりません




するとそれを見ていたカミサマが言いました





『猫は神にはなれません』




『どうしてですか、あんなに貴方を慕っていたのに』




『あれは私を裏切ったので私が葬り去りました。
神どころか、生きている資格もありません』




カミサマらしくもない言い様に鼠は思わず震えました



いつもは温かい瞳も冷たく凍え
纏う神気は闇のような暗色で覆われていました








・・それ以来
彼等神の末裔である「十二支の一族」に猫の名は一度も出てきません




しかし十二支とは別に
神と同等の力を持つ者達がいました



カミサマからの恩恵を受けられなかった者・・・その動物たち






それら全ての生き物を束ねる長----
''十八番''(トバチ)----。





長の後ろ姿は、カミサマが愛した猫の姿に
ひどく似ていました-----







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