十八番-トバチ-
冷え切った冷たい言葉に、葉はカーッ!と息を吐いた。



「どうしてうちのやつらはこうも・・・。
キヨ、おまえもっと笑えって!!モテるぞ!」


「・・そんなことに興味はありません」


「心配してんだって」


「必要ないですね」



はぁ、もうこの人は駄目だと言わんばかりに手を挙げて息を吐いた。
すると急に真剣な声音でキヨ、と呼ばれる。



「向こうが何考えてるのかは知らんが、
おまえに危害を加えるようなことがあれば駈け付ける」


「余計な心配です。
一人で十分でしょう」





やけに真剣な瞳で言ったかと思えば、さらりとかわされる。
纏っていた囚人服を脱ぎ捨て、置かれていた警官服へと着替え始めた。




「おまえも案外恥じらいってのがないよな。
たまたまうまいこと理由つけて出払ってもらえたから良かったようなものの」


「そんなことがなくても、
隊長ならうまく口車を合わせられた、そうでしょう」





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