十八番-トバチ-
「おい、そっちの状況はどうなってる!?」
「はい、ただいま第二区間まで修復が終わりました!
あくまで応急処置程度ですが・・・」
「構わん。すぐに壁屋を呼んで補修作業をさせろ。
今夜は見張りを増やして対応する」
「はい!」
ばたばたとあわただしく足音が続いていくのを
傍で聞きながら、和真はそっと息を吐いた。
「なんか、申し訳ないことしちゃったな」
普通には入れればそれでよかったんだけど・・。
正確には自分のせいではない。あの炎馬である。
けれどあの馬が自分を庇ってくれ、その庇われた理由を
想えばやはり自分のせいだと思う。
(早くあの人を見つけて、帰ろう)
この人の多さじゃ、
きっと隠れていたって見つけられる。
さっきの人が言っていたことが本当なら、
獄は一般人が気軽に入れるような場所ではないはずだ。
しかもこの騒ぎの中。
もし犯人探しをしていたら、確実に怪しまれる。
・・というか、自分が真犯人であるがゆえにだ。
「・・えっと、極悪人の牢は・・・」
ガタン!
「わ!?」
すぐ後ろで大きな音がしたかと思うと、
たくさんの人が入ってくる。
警官らはまっすぐこっちに向かってきた。
どうして・・!?
こっちには入口ないはずなのに・・!
とにかく逃げなければ。
そう思うのにどうしてか動けない。
「はい、ただいま第二区間まで修復が終わりました!
あくまで応急処置程度ですが・・・」
「構わん。すぐに壁屋を呼んで補修作業をさせろ。
今夜は見張りを増やして対応する」
「はい!」
ばたばたとあわただしく足音が続いていくのを
傍で聞きながら、和真はそっと息を吐いた。
「なんか、申し訳ないことしちゃったな」
普通には入れればそれでよかったんだけど・・。
正確には自分のせいではない。あの炎馬である。
けれどあの馬が自分を庇ってくれ、その庇われた理由を
想えばやはり自分のせいだと思う。
(早くあの人を見つけて、帰ろう)
この人の多さじゃ、
きっと隠れていたって見つけられる。
さっきの人が言っていたことが本当なら、
獄は一般人が気軽に入れるような場所ではないはずだ。
しかもこの騒ぎの中。
もし犯人探しをしていたら、確実に怪しまれる。
・・というか、自分が真犯人であるがゆえにだ。
「・・えっと、極悪人の牢は・・・」
ガタン!
「わ!?」
すぐ後ろで大きな音がしたかと思うと、
たくさんの人が入ってくる。
警官らはまっすぐこっちに向かってきた。
どうして・・!?
こっちには入口ないはずなのに・・!
とにかく逃げなければ。
そう思うのにどうしてか動けない。