十八番-トバチ-
『十六夜の剣・・・。
聞いたことがあるぞ。


呪われた月の力を秘めし剣と』



『その剣がどうした』



『剣に宿るのは妖か?
さては神か・・・。

何にしても、我々のような人の手が触れていいものではない』



『しかし、あの剣さえあれば天下を獲れるのだろう?』



『剣一つで手に入る世など、本当に真に価値のあるものか』



『ただ願いの叶う希なる剣、というわけでもないらしいな。
あれを手にした者が皆、姿を消しているとか』



『・・月とは時に恐ろしく強い魔力を持つもの。
あの名を借りた物など、希というより奇なる剣、のほうが
解釈として正しいのでは』



『・・だがそのような噂が流れていても、
実際多くの者があの剣を手にしたがる』



『場所は突き止められているのでしょう?
魔を祓わせてはいかがです』



『それが出来るならとうにしておるわ。
このような議などいらぬ』



『・・確かにな。どうする』



『・・試してみればよいのではないか』



『あぁ、なるほど。では早速参りましょうか』












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