週に一度だけ
週に一度だけ


彼氏との待ち合わせに使っている図書館がある。

週に一度だけ通うその図書館の奥、人気のない場所に必ず彼はいる。
分厚い専門書を膝にのせ窓辺に置かれたイスに座る彼は、まるでその場所の主のように感じた。

ページをめくる彼の指は、節くれだっていて彼氏のそれとは違ってなぜか目が離せなかった。

その日から、
彼の指を観察して時間を潰すようになった。

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