【短編1】甘い罠〜12回のキス〜
1回目のキス
約束の時間から20分経つ。
デーブルに置いた携帯の着信音に溜め息がでる。
『ごめん!今日の約束キャンセルで。急な仕事が入った』
携帯の画面から、今まで見ていた雑誌に目を移す。
そこには今流行りのカリスマ美容師の特集が組まれていた。
頬杖をついて本日2回目のため息。
なぜならそこに載っている美容師はあたしの彼氏だから。
こうやってドタキャンされる事にも最近は慣れてきた。
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