あたしだけの王子さま
その日は突然に
ピピピピピピピピピッ
「んー・・・・・・・・」
チャリラララー
アラームを止めて、うるさい音が止んだかと思えば、携帯が鳴って手を伸ばす
着信はお母さんからだった
「あっ!やばい!!」
あたしは寝起きが悪い。
アラームを設定しているけれど、それだけじゃ起きられず、毎朝お母さんからの電話の着信音で目を覚ます。
ドタドタドタッ
騒がしく階段を降りると、お兄ちゃんである吏斗が家を出るところだった。
「いってらっしゃい」
「おう、いってきます」
ガチャン
お兄ちゃんとは、あんまり会わない。友達ん家とか遊んでくるとかで家に居ないことが多いからだ。