※ただし、あたしは大嫌い。
「……如月。俺、」
若宮が真っ直ぐあたしを見つめて、
「…何で逃げんだよ」
「……な、なんとなく?」
「逃げんな」
タンッ…
若宮が、あたしの顔の真横に手をついた。
背中は体育館の壁にピッタリくっついていて。
…若宮をボコボコにするつもりで、ここに来たはずなのに。
なんか逆じゃね!?
「あ、あのさ、若宮」
「聞けよ」
若宮の有無を言わせない強い口調に思わず押し黙る。
「如月、俺は「あっれー?イケメンが女の子襲ってる~?」