※ただし、あたしは大嫌い。




休み時間。


「えーみかちゃんっ♪」



さっきまで爆睡していたはずの佐倉くんがいつのまにか起きていて、あたしに話し掛けてきた。



「何?」


「何か言われた?若宮に♪」


「何かって?」


「ドキドキしちゃうようなこと♪♪」



なぜか物凄く楽しそうな佐倉くん。




「…別に言われてないけど?」



佐倉くんの言っている意味がイマイチ分からないままそう答えると、えぇー、と佐倉くんは不満げな声を漏らし




「まだ足りないか…」



ブツブツ何か呟いていた。




「足りないって何が?」

「それは…あっ!」



佐倉くんは突然、何かに気付いたような声をあげると


「えっ、何…」

「しっ、じっとして」


佐倉くんの手がスッと伸びてきて


あたしの頬に、触れた。



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