※ただし、あたしは大嫌い。



「何となくって何」

「うっせー!いいから来い!」



いつになく自分勝手な若宮。


「はなしてっ…っぶ!!」



なぜか突然立ち止まった若宮の背中に鼻を強打した。



「ちょっ痛「悠もう帰っちゃうのー?」


見ると、若宮の前に立つ二人の派手めな女子。



「最近付き合い悪くない?
ねぇ今日カラオケ「無理」


「えー!何で!?」



「今日コイツと帰るから。悪いな」



そして不満げな女子達を放置して再びあたしの腕を引き歩き出した。


「い、いいの?二人とも結構かわいかったよ?」



するとピタと歩みを止めた若宮が振り返って。



「…ほんとムカつく奴だなお前。
俺好きな奴いるって言ってんだろ!!」

「っわ!」



鼓膜が破れるほどのボリュームで怒鳴られた。


最近の若宮はすぐに怒鳴る。







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