※ただし、あたしは大嫌い。



「……何で映画館?」



あたしと若宮の前には最近できたばかりの新しい映画館が。



「映画みるために決まってんだろ、バカかお前」



上から目線でバカにしてくる若宮。



「映画みるの!?」



「お、もう始まんな」



あたしを完全無視してスマホで時間を確認した若宮は



「行くぞ」



上機嫌であたしの腕を引っ張った。




何で若宮と映画なんて見なくちゃいけないんだ!!

まぁいいけど、映画好きだし…



ってよくなーい!!!



「ギャー!!!!」



映画が始まった瞬間アップになった白目の女の人に映画館ということも忘れて絶叫した。



若宮に連れてこられたのはまさかのホラー!映画は好きでもホラーは無理!大嫌い!!


「かっ帰る!!」



と勢いよく立ち上がったけど



「無理」




若宮に腕を引っ張られ座らされる。




「今さら動いたら迷惑だろ」


「だっだって!!」


「しょーがねぇなぁ」



ため息をついた若宮は



「こーしててやるよ」



ギュッとあたしの手を握った。



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