※ただし、あたしは大嫌い。



ってか、当たり前のように手繋いでるんだけど…



「あ、あのさぁ…何で手繋いでんの?」


「…繋ぎたいから。嫌?」


「嫌、っていうか」




不思議と嫌って感情は湧いてこないんだけど




「お、おかしくない?付き合ってもないのに。まさかまた嫌がらせ?」



クリスマス。
こんな風に手を繋いできた若宮は、これ嫌がらせだからって言ってた。




「…ちげーよ」




若宮は一つため息をつくと




「言っとくけど俺、嫌がらせでこんな事しねーよ?」


「え、でもこの前は」


「繋ぎたいから繋ぐ。それ以外に理由なんてねーだろ」


「…あたしのこと嫌いなのに?」



「嫌いな奴と手なんて繋ぐわけねーだろ」




さらっと言われたその言葉。




え、それってつまり…




嫌いじゃないって



こと?



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