※ただし、あたしは大嫌い。
結局若宮の“嫌がらせ”とやらはあたしの家に着くまで続いた。
「じゃぁね純情乙女心弄び野郎!!」
「はぁ?純情乙女?誰それ」
「あたしじゃ!!!!」
くっそーコイツのせいで最悪なメリークリスマスだったぜ…
そんなことを思いながら家に入ろうとして、それとなく後ろを振り向くと
今来たばかりの道を戻る若宮がいた。
……確かあたしの家は通り道だとか言ってなかったけ?
………送ってくれたってこと?
いや、そんなまさか。
あたしは一人ブンブンと首を横に振る。
どうせ少しでも長く嫌がらせしたかっただけだ。そうに違いない。
……まぁ、でもちょっとだけ
「若宮!!」
あたしがまだそこに居ることに驚いたのか、振り向いた若宮が少しだけ目を大きく見開く。
「…め、メリークリスマス!!!」
ありがとう、なんて言うのは癪だから。