※ただし、あたしは大嫌い。
若宮の幼なじみの美少女転入生の噂は、すぐに学校中に広まった。
2人が並んで廊下を歩くだけで、廊下には自然に2人をよけて道が出来た。
「お似合いだよね」
誰もが2人をそう言って。
若宮ファン達も、琴平さんなら仕方ない、と認めてるみたいだった。
「悠ー、あたし達付き合ってるってことになってるらしいよ?」
琴平さんはよく若宮の席までやってくる。
2人は幼なじみというだけあって、本当に仲が良かった。
「何だそれ。くだんねー」
「だよねー、ありえないし!」
しかも雰囲気が似てる。
性格とかは違うけど、笑った時の感じとか。
「ってか悠、マサから連絡あってまた三人で集まろーって」
「あぁ、そーいや吉弥もお前に会いたがってたな」
「わっ懐かしい!吉弥!」
…なんか…モヤモヤする……
なんて、気のせいだよね!
若宮と琴平さんが仲良くても、あたしがモヤモヤする理由なんてないし!