※ただし、あたしは大嫌い。
「やっばい、遅刻ー!」
あたしはダッシュしていた。
今日に限って目覚まし時計が壊れるなんて!
若宮変に神経質そうだしキレられそう…なんて思いながら待ち合わせの駅前に向かうと
一瞬で若宮を見つけることができた。
クリスマス以来に見る私服姿の若宮は、なんていうかーーーキマりすぎていて、嫌という程人目を引いていた。
周りの女子みんな若宮のこと見てるし。
行きずれー!!
いやでも、行くしかない。
既に待ち合わせの時間は10分くらい過ぎてるし…ケータイをいじる若宮から黒いオーラが出ているのは、絶対に気のせいじゃない気がする。
「ど…ドーモー」
あたしは売れない漫才師のような怪しい挨拶をしながら、コソコソと若宮に近づいた。