※ただし、あたしは大嫌い。
あたしの目の前にドンッと置かれたのは大量の野菜が入った大きなボウル。
うわーあたしの嫌いなピーマンがこんなに!って問題はそこじゃなく。
「何で若宮と!?」
「あたしの気分!
じゃっヨロシク~♪
あっ琴平さん!一緒に道具取り行こー!」
「え…あたし?」
「うん!ほら早く~!!」
テキパキと指示を出して歩いていく彩。
琴平さんはチラリとあたしを見て
渋々、彩の後を追って歩いて行った。
…残されたあたしと若宮。
「………」
若宮は無言でボウルを持つと、どこかに歩き出す。
「……ち、ちょっと、どこ行くの?」
「…野菜、洗ってくる。お前は包丁とか用意しといて」
一切あたしの方を見ないでそう言うと、若宮は水道の方に向かって歩いて行った。