※ただし、あたしは大嫌い。
「………は?」
は?の一言を発するまで、悠に10秒以上かかった。
だって、そんな
「…嘘だろ?」
「…嘘で、こんな顔、すると思う?」
そう言った汐里の声は震えてて
今にも泣きだしそうな顔をしていた。
「……ごめん」
…でも、ごめんな
俺の返事は決まってるから。
「…汐里は、俺の大切な幼馴染で。
これからもそれは、ずっと変わらない」
「……変わらない、か…」
は、と自嘲気味な笑いを零して、俯く汐里。
「…ごめん」
「…いいよ。分かってたし…
あたしね、ずっと好きだったよ悠のこと。
でも悠は女子と付き合ったりとか、しない人だったから…
でも…高校でまた悠と会えるって思った時、今ならいけるんじゃないかって思ったんだけど…
ちょっと遅かったみたい」
汐里は顔をあげて、夜空を仰ぐと
「…悠が恋してることくらいすぐに分かった」
「…マジで」
「…マジだよ。だてに幼馴染やってないから!」
汐里は、ふ、と俺に向かって笑みをつくると
「―――大好き、だったよ」
触れるだけのキスをした。