※ただし、あたしは大嫌い。
そして今。
バカ姉貴に見放されたあたしは、仕方なく若宮と参拝の列に並んでいる。
他の女子たちは若宮が「じゃぁ尚太、後は頼んだ」と神崎に言うと「りょうかーい♪」と返事をした神崎が無理矢理引き連れて帰って行った。
了解するな神崎!!!!
「ってか!!どうしてくれんの!?お姉ちゃんにあんな嘘ついて完璧誤解されてんじゃん!!」
「うるせーな、新年早々キャンキャン喚いてんじゃねーよ」
「喚かせてんのはそっちでしょーが!!!」
コイツの考えてることが全く分からない!!
お姉ちゃんに自分をあたしの彼氏って嘘ついて何がおもしろいんだか!!!
「まぁいいじゃん。しょーがねぇからお前の姉貴の前では彼氏役してやるよ」
そうなぜかメチャクチャ上から目線で言ってくるけど
「結構です!!次会ったら絶対誤解といてよ!?」
「…なんだよお前」
不満気な顔であたしを見下ろしてくる若宮。
「そんなに俺がお前の彼氏って思われるのが嫌なわけ?」
「当たり前じゃん違うんだから!!!」
「…あっそ」
それから若宮はあたしが何を言ってもずーっと黙ったまんまで。
「……は?急にシカトですか?」
「………」
「おい若宮」
「………」
「若宮さーん?」
「………」
「おい性格ブス」
「黙れ顔面ブス」
そこだけ即答かい。