※ただし、あたしは大嫌い。
「っ!!!」
踵を返して、走る。
さっきの光景が頭にこびりついて離れない。
…意味わかんない。
何であたし、こんなに全力疾走してんの。
何でこんなに傷ついてんの…
「…はぁっ…はぁ」
走るのに限界が来て、ゆっくりと立ち止まった。
横腹が痛い。
でもそれ以上に胸が痛くて、頭の中ぐちゃぐちゃで、何度も何度もさっきのキスの映像が頭を流れて。
「あぁっもうっ…」
その時、ポケットの中のケータイが、着信を知らせた。