※ただし、あたしは大嫌い。
「おはよう皆!」
「おっす」
朝。
若宮と琴平さんが、二人一緒に教室に入ってきた。
…一緒に登校したんだ…って当たり前か!
付き合ってるんだし。
自分の気持ちを自覚してから、無意識のうちに、いつも若宮を目で追ってしまっている自分がいて。
若宮が琴平さんに笑顔を向ける度に。
琴平さんが軽く若宮の肩に触る度に。
信じられないくらいに、気分が落ち込む自分がいる。
笑顔なんて向けないでよ。
若宮に触らないで。
…二人はもう付き合ってるのに。
いちいち、こんなことを思っている自分がウザい。
自分の中にこんな自分がいたなんて
知らなかった。