※ただし、あたしは大嫌い。
「…こんなとこにいたのかよ」
ガシャン、とドアが開く音がして
振り向くと不機嫌そうな顔の若宮が立っていた。
「今日一緒に飯食うってことになってなかったっけ?」
「…そうだっけ?」
「お前な…」
「嘘だよ!覚えてるって!」
若宮からドス黒いオーラが放たれ始めたのを察知して、慌てて訂正する。
「ほらコレ!」
「…何コレ」
「……お弁当…らしきもの」
若宮は大きく目を見開くと
「お前料理できたのか!?」
「失礼な!」
差し出していたお弁当を引っ込める
人がせっかく早起きしたのにコイツ。
「…できないから頑張った。言っとくけど期待できるもんじゃないから」
「…サンキュー」
若宮はニヤッて口角をあげると
あたしの肩を引き寄せて
おでこにキスをした。