※ただし、あたしは大嫌い。
「……お前って」
何かを言いかけた若宮は、口を噤んで。
そのまま握っていたあたしの手を引っ張った。
「っえ…」
バランスを崩したあたしの頬に一瞬
何か柔らかいものが触れて。
「っちょ…こっここ外だよ!?」
「うるせーな、口じゃないんだからいいだろ?」
「そっそういうことじゃ…!」
「日曜!」
慌てふためくあたしを遮るようにして
「…どっか行きたいとこ考えとけ」
ぶっきらぼうにあたしから顔を背けた若宮は、耳まで真っ赤だった。
「……うん」