※ただし、あたしは大嫌い。





若宮の鋭い声に、ビクッと肩が震える。





「勿体ないって何だよ。もっと相応しい子?意味わかんねぇよ。



俺はお前以外ありえないって分かんないのか!?



俺はお前しか好きじゃねーよ!!」






若宮の声が心臓に直接響く。



でも…





「でも、みんなあたしのこと若宮に似合わないって思ってるよ。
あたしなんかが若宮の彼女なんて…」



「周りなんてどうでもいいだろ!!!


似合うとか似合わないとかどうでもいいんだよ。


ただ俺はお前が好きで、俺の彼女はお前しかありえない。考えらんねぇよ」





…若宮。





「…お前は違うのか?如月は…俺のこと好きじゃねぇの?」





若宮の真っ直ぐな瞳があたしを見つめる。







「…好きだよ」



「…だったら何の問題もねぇじゃん?」






ふっと笑った若宮があたしの髪の毛をグシャグシャにして。






それだけで





単純だけど





…あたしの心が溶けていく。








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