※ただし、あたしは大嫌い。
「若宮って好きな子いたんだ?」
「っ!?」
女の子が立ち去ってから近づくと、若宮があたしを見て大きく目を見開いた。
そして次の瞬間には眉間に深い縦線を刻んで。
「……盗み聞きかよ。趣味わりぃな」
「しょーがないでしょ聞こえたんだから!」
っていうのは嘘だけど。
バッチリ聞き耳立てちゃってたけど。
「でもちょっと意外だったなー、若宮に好きな子って」
「…何だそれ」
お金を入れて、ピ、コーラのボタンを押す。
「だって若宮っていつも大勢の女子といるじゃん?
誰も拒まないけど、誰も特別ではないって感じだったから」
皆平等って言うの?
コーラを取り出し振り向くと、若宮はちょっと驚いたようにあたしを見てて。
「え、何?」
「……別に」
ドカッと近くにあったソファに腰をかける若宮。
「……全然平等なんかじゃねぇよ」