※ただし、あたしは大嫌い。
「………………は?」
…つ、付き合う?
誰が?
…まさかあたしと若宮が!?
「……な、なに言ってんの有り得ないでしょ!ってか若宮、好きな子いるんでしょ??」
好きな子いるのに何言ってんだか……
若宮は暫く探るようにあたしの瞳をじっと見た後
「……お前…………マジ、バカだな」
しみじみとそう呟いた。
「はぁ!?」
「それとも気付かないフリしてんのか?」
「は?何が?」
「…ま、いーや」
よいしょ、と掛け声をかけてオッサン若宮は立ち上がると
「…今日はこれくらいで勘弁してやるよ。感謝しろブス」
意地悪な笑顔とともに上から目線でそう言ってきた。
「いつもだけどあんたの言ってることは本当に意味が分からない」
「わかんなくていいよ、お前バカだし」
バカにバカって言われたくない!と言い返そうとしたが、こないだの期末で学年一位だったのを思い出し口をつぐんだ。
ホントに性格以外は嫌味なくらい完璧な奴なのだ、コイツは。
仕方なく「バカで悪かったね!」と弱々しく返す。