※ただし、あたしは大嫌い。
朝。
彩が買ってきたお菓子の本を一緒に覗きこむ。
「トリュフ…ブラウニーもいいなぁ♪」
「笑佳やっぱり作るんだ?」
「まぁ友チョコだけどね…お菓子作り好きだし」
「友チョコ…ねぇ?」
上から振ってきた意地悪な声。
見ると片腕に女子を絡みつかせた若宮が、ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべながら立っていた。
「お前が言ってたチョコあげる相手って友達かよ」
「…だったら何?」
悪かったな恋愛沙汰に全く縁がない女で!!!
ドサッと椅子に腰をおろした若宮はあたしを振り向くと
「俺ブラウニーがいい」
そう偉そうにリクエストしてきた。
「だ・か・ら!
何であたしがあんたにチョコをあげなきゃいけないの!?」
「日頃世話になってるだろ」
「全くなってないわ」
「あ?そういえば今日数学の課題あったよな」
「…あ!!!」
そういえば!!!
すっかり忘れてた!!!!
頭を抱えるあたしを見て、ニヤリ。若宮が怪しげな笑みを浮かべる。
「お前6番だろ?今日6日だから当てられんじゃね?」
……確かに。
「彩見せて!!」
「えーヤダ☆」
満面の笑みで断られた。