※ただし、あたしは大嫌い。




「……………………………ドーゾ」





申し訳程度にラッピングしたブラウニーを差し出した。





如月笑佳、約束は守る女だ!!!!!






でもなぜか若宮は、あたしがせっかく差し出したそれを受け取ろうとはせず。



ポカーンと口を開けてブラウニーを見ている。




こんなアホ面してもイケメンとはどういうことだ!?





「…ちょっと、受け取るんなら早く受け取ってよ」




恥ずかしいし若宮ファンの女子からの視線が痛いんですけど!?




「…………サンキュ」




あと2秒遅かったら危うくファンの女子に視殺…って





「サンキュ!?」





「…なんだよ」






うざったそうな若宮。





だっ、だって今





もしかして若宮お礼言った!?





「明日雪!?」




「……お前マジで失礼な奴だな」





そう言いつつも、あたしから受け取ったブラウニーを見る若宮は嬉しそうに口元を緩めていて。




「………あんた嬉しいの?」



「………………まぁ、月並みにな」





なんじゃそら。





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