※ただし、あたしは大嫌い。




「……何言ってんのお前」




心底呆れたようにあたしを見る若宮。





「……え、違うの?」


「…どこをどう考えたらそういう風になるんだよ……」


「だっ、だって彩と話す時顔赤かったし!」


「はぁ?いつの話してんだよ?」


「バレンタイン!」


「バレンタイン…?」




一瞬考え込む顔をした若宮は、少しして「あぁ」と何かを思い出したような声を出した。




「あれはアイツが…!」


「……アイツが?」





なぜか途中で言葉を切った若宮は





「………なんでもねぇよ」





気まずそうにあたしから顔を逸らした。





< 86 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop