※ただし、あたしは大嫌い。
「………………!?」
突然の事態に身体は硬直、頭は真っ白。
え、な、何で今あたし……若宮にだだだ抱き締められてるの!?!?
「なっえっちょっはぁ!?!?」
「勉強は俺が教えてやる」
もがくあたしに、若宮の腕の力が強まって。
「……だから他の男と放課後に約束なんてしてんじゃねぇよ……」
や、約束…!?
あたしが田中くんに放課後勉強教えてもらう、って話のこと…!?
「べ、別に若宮には関係な…「関係ある」
少し身体を離した若宮が、あたしを真っ直ぐに見て。
「お前俺以外の男と話すな」
そんな意味不明の事を言われた。
「は!?何で!?」
「いいから話すな!分かったな!」
「いや全く分か「今日の放課後!」
食い気味に言葉を繋ぐ若宮。
人の話しを聞け。
「俺がみっちり勉強見てやる。覚悟しとけよ」
「え!?マジ!?」
「大マジだ」
あたしを離した若宮は、ニヤリと意地悪く笑うと。
「お前のカラッポな脳ミソに叩き込んでやるよ」
色々とな?って…
「…結構です」
「遠慮すんなよ」
そして
「じゃぁなカラッポ」
そんな何ともムカつくあだ名を残し教室を出て行った。
そんな若宮が
「……俺の気持ちもな」
教室の外でそんな独り言を呟いていたことは
「……ネーミングセンス最悪」
あたしは知らない。