※ただし、あたしは大嫌い。




頭が若宮の言葉を理解するより早く、若宮の顔がカアッと真っ赤に染まって。





「じ、じゃーなブス!!!」





いつもの3倍の声量でそう暴言を吐き、物凄い速さで教室から出て行った。





…え、ちょ、ちょっと待て。
落ち着こう。




…あいつ、あたしのこと“特別”って言った?




それってもしかして…………





「いや、ないない!!」





一瞬少女マンガ的展開が頭を過ったが、若宮に限ってそんな事あるわけない。



たぶんあたしは特別にバカだから、とかそういう意味だ。

うん、そうに違いない。






呆気なく結論を導き出したあたしは、一人残された教室で帰り支度を始めた。





うーん、それにしても。




期末テストまであと5日くらいあるよね。




5日間若宮にミッチリ教えてもらえば、かなり成績はアップするかも。






……ひとつ気掛かりなのは、あいつの暴言に対するあたしのメンタル面だが………






たぶん、大丈夫でしょう!!!!





< 95 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop