時計の針の行方
しかし、ハヤトがボールを奪う前に、左サイドの選手は、ペナルティエリア外からのミドルシュートを放った。

そこまで威力があるシュートではなく、上江田の真正面にボールが飛んできたので、上江田は腰を深く落とし、悠々とキャッチした。


ピッ、ピッ、ピーーー!!!

その瞬間、試合終了のホイッスルが辺りに響いた。

結果は、1‐6。惨敗だ。
しかし、ハヤトはこの結果に満足していた。
最後まで諦めないガッツ。
それを味わえただけでも大きな収穫だった。


諦めないってのもたまには良いもんだな…


「ハヤト、今日は良く頑張ったな。さっさと教室戻ろうぜ」

上江田は、ビブスを脱ぎながら北条先生の元へ歩いて行った。
ハヤトも、ビブスを回収している北条の元へ、上江田と隣り合せで歩いていった。
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