時計の針の行方

校舎の壁を沿って、二人は教室へ向かって歩いていた。
歩いている途中で、ハヤトが上江田に質問した。


「なあ、お前は、将来やりたいことあるか?」

「なんだ?随分、唐突な質問だな…
まあ、強いて言えば、部活で全国出場したいかな…」


「……じゃあさ、残り2ヶ月しか生きられないとしたらどうする?」


その質問を聞き、上江田は歩きながら考えた。
今まで、全く意識していなかった“猶予”という存在。
しかし、上江田の出した答えは単純なものだった。

「いつもと変わらずに生活するかな」
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