時計の針の行方

上江田の答えに納得できなかったハヤトは、上江田に食い下がる。

「なぜ?残り2ヶ月しかない状態だぞ?
いつも通りの生活を何故望むんだ?」


「うーん、まあ、とりあえず落ち着け。昇降口着いたから、教室に戻って話そう」

いつの間にか、二人は昇降口に着いていた。
上江田は、慣れた手つきで上履きに履き替えて、教室へと向かっていった。

一方、ハヤトは釈然としない気持ちで、上履きを履き替えていた。


………
何故、アイツは退屈な日常生活を望むんだ?


ハヤトには全く理解出来なかった。
ただ、今、自分のすべきことは分かっていた。
一刻も早く、教室へ戻り上江田に問い質す。
小さな目標を決め、ハヤトは階段を上っていった。
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