時計の針の行方
ハヤトが考え事に耽っていると、白髪混じりの老翁の教師が教室に入ってきた。
「授業始めるぞ~ 全員、席に着けー」
重たそうにプリントを持ちながら、教卓へと向かう地理の教科担任。
この人の授業は分かりやすいのだが、面白くなかった。
興味がわく授業ではなく、淡々と授業を行なうような感じで、ハヤトはこの授業が好きではなかった。
「気をつけ、礼」
いつものように淡々と号令を掛ける日直も、地理の教科担任と変わりなかった。
…
……
………
ダルいなぁ…
淡々と進む授業。
EUのことについて授業しているらしい。
ハヤトに、強烈な睡魔が襲っていた。
先ほどの体育の疲れが残っていることが原因だろうか。
それとも、この退屈な授業が原因だろうか。
いずれにせよ、ハヤトが睡眠学習という行動を取るのは、それから間も無いことだった。