時計の針の行方
……
「…きろ」
…
「内…きろよ」
…
「内海!!いい加減起きろ!」
凄まじい怒鳴り声が教室内に響く。
その声を聞いたハヤトは、ゆっくり体を起こした。
「やっと起きたか」
隣りを見ると、上江田が呆れたような表情で立っていた。
「あれ?もう授業終わったの??つーか、掃除は?」
「お前、まだ寝ぼけてるのか。
掃除は、テスト三日前だからないぞ」
その言葉を聞いて、ハヤトはゆっくりと辺りを見渡した。
確かに、クラスの大多数がいなくなっており、少数の生徒が残っているだけだった。
ハヤトは、背筋を伸ばしながら上江田に訊いた。
「なあ、今日、一緒に勉強しないか?」