時計の針の行方
美空は、その大きな声に多少、戸惑いをみせたがすぐに了承の返事をする。
「うん、いいよ。人数が多いほうが楽しいしね」
満面の笑みで、上江田にOKを出す美空。
一方、上江田は満足そうに話を続ける。
「マジですか?嬉しいなー
ほら、ボク、勉強大好きなんですよ~
美空さんと工藤さんが一緒ならば、ますますやる気でちゃうなー」
その言葉を聞き、ハヤトは先ほどの発言を思い出していた。
『勉強?やだよ、さすがに勉強だけは勘弁だなー』
……
ハヤトは呆れて声も出なかった。
ハヤトに言ったことと、美空に言ったことが180度違うことに呆れていた。
その様子を知ってか知らずか、上江田は先ほどから熱心に二人を口説いていた。